2021-12-01から1ヶ月間の記事一覧

1231

昼間は日が翳って、不思議な気分になった しばらく経てばすぐに光は走り出すことを思い出す。あかるさは部屋の窓をさざなみとしてうち叩いて、年の暮れにも色はある。外に出ようと思った。手元のインスタントカメラはとっくに使い切っていたから写真は撮れな…

1230

4時に寝ようが12時に寝ようが10時過ぎまで起きられない。去年の春の、ずっとずっと体が重たかったときのことを思い出す。 だって高架下の駐輪場にはあんなにも、一筋の光が差して目が眩む。どうしたってきれいだと思う。 乗り換えたら真新しい車両、新…

1229

片づけをした。記憶から滑落したものから捨てていける。今までは持ち物が与えられていたが、それももうおしまいで、自然に任せていくうちあとは減っていくばかりなのだろうと思ったりもする。ものを捨てるということは思い出す可能性を捨てるということで、…

1031

言葉に頭が繋がっているうちに、書けることみんな書いてしまいたいと思っている。 いまは電車に乗っていて、先頭車両から青暗いガラス越しに信仰方向を眺めていると、川を流れているような気がしてくる 川でなくても良いのだけれど、流れていて、細いから川…

1223

冬は眠たい。眠たさと漫然に流れていく日々の、部屋に届くのは夜よりも昼であるから、窓を突き抜ける真っ白い光が世界として機能していて、冬至を過ぎて冬の底、毎朝のように呆然としている。

1222

私が次に空洞でなくなったとき、埋め尽くすものは全部嘘なんだと思う、嘘の中でもとりわけ、私が嫌だと思う種類の嘘だ。だから空洞のままでいることは、今日が安全だったことの証でもある。

1219

ひとの訃報があるたびに、わたしは世界から取り残される。いまだにどういう気持ちになるべきで、なれば良いのかがわからずに沈黙するしかなくなる。知っている人が悲しんでいるから、かなしい。生きている人が悲しんでいるのがわかるから、泣きたい気持ちに…

1218

・髪切った 同じ人四度目にして前下がりにしてくださいって言うの忘れて事故 ・ライブ行った 好きな曲全部出てびっくりした 爆音は健康に良い

1217

焦燥に似て、手足を震わせるものの正体にこれからずっと苦しめられるような気がする。外では風が吹いていて、強く吹いていて、昼間の晴れ間を思うだに、同じ星、同じ椅子の上で回る。背もたれが左に傾いている。初めの頃に読んでずっと好きだった詩集はわた…

1216

ページを捲るたびに落ちる右手の、後悔だ、後悔が、わたしの首を絞めにくる、逃げ出すための目的地を失ったいま、諾々とひからびていく体の内側に細かいひびわれが這い回っていくのがわかる 声なんて、一度もあげられたことなかった パイ生地の、さくさく、…

1215

体が重く、憂鬱なとき、血に冬が巡っているのだと気づく。細胞に冬を迎え入れて、わたしたちはそろそろ眠るべきだと思う。あと1話で終わってしまう再放送のアニメーション、外から消えていく鳥の声、不自然に聞こえる電車の通り過ぎる音と、数多の雑音がや…

1214

・すぐ近くに立っていた女の子が2回、雪のなんとかとはっきり言った。はっきり言って笑った なんとかの部分がなんだったのかはすぐに忘れてしまった 妖精系の言葉だったと思う ・伝言ゲームって存在がだいぶ人間に対する皮肉っぽい ・喪中の人に新年がおめ…

1213

子どもの言葉って台詞みたいだ、直球だからだろうか。暖かい日だった、コートは持って歩いた。ダンスの体験に行った。当たり前だけれど体は動くところは動くし動かないところは動かないしで、それでも基礎練習のようなものが、慣れていないからというのもあ…

1210

もう渦巻きを描き続けなくても呼吸ができるし、街中の広告のうるささだけでは傷つかなくなった。明日のことばかり考えていたら今日が終わる。曖昧な白に晴れていた日だったと思う。雨は降っていなかったと思う。明日はお出かけ、ではないけれど用事、期待し…

1209

言葉を捏ねることはやはり面白かった、のは、やはり任意だからだろうと思うことでカーテンの光も平坦。早く白昼夢の中に目を閉じて、開いて、誰かが飲んだヤクルト的乳酸菌飲料のからの容器に出涸らしの茶葉を詰めて夜、昨夜布団に横になったとき、ついさっ…

1208

シャワーを浴びられるのが遅くなるほど、仮眠の率は上がり、昨日と今日はそういう短い睡眠があった。やすいセーターの毛玉を今日も刈ってふわふわの、ビニール袋の中の朱に近い桃色、ガラスの当たる音、お茶。牛乳を温めて飲むことを想像の中だけでする。冬…

1207

雨が降っている。面談は吐きそうなほどに緊張したけれど、ぬいぐるみを握りしめてどうにか乗り越えた。久しぶりに好きなお姉さん先輩と所用で話す機会があって、それがとても嬉しくて、憧れ以外で生きていけるのか不安になる。(わざわざ性別を記した方が良…

1206

人が人をジャッジする声が時折後ろから聞こえてきて、その声のひとつひとつをとても恐ろしいと思った、混ざる笑い声をとても気持ち悪いと思った。そうやって腕も足も切り落として、生きていくことが正しく、そうでないならば力が必要、ないならば潰れてしま…

1203

外はよく晴れていた。割り当ててもらった作業は楽しい。状況の説明をしている口は滑らかに言葉だけがもつれて、言葉に追い出されたような気分がした。いつかの、言葉の出口が塞がれたときとも違う、言葉に手を離されたような気分で、不安なのか、余波なのか…

1202

小さい頃に見たなぞなぞで、乗るとお医者さんが死んでしまう乗り物の答えとして初めて寝台車を知ったときから、今に至るまで寝台車はどこか不吉な印象を携えている。真夜中、遠い山間を思うとき、あの世との境界をそれはかたことと滑り過ぎていくような気が…

1201

強い雨、のちに真っ白な昼間だった。わたしだけ緩やかに仕事をしている。足の裏をたまに思い出すようにしている。悪い夢ばかりみる