2021-12-17 1216 ページを捲るたびに落ちる右手の、後悔だ、後悔が、わたしの首を絞めにくる、逃げ出すための目的地を失ったいま、諾々とひからびていく体の内側に細かいひびわれが這い回っていくのがわかる 声なんて、一度もあげられたことなかった パイ生地の、さくさく、りんごの酸味を無視しないこと サイレン以外の大きい音ききたい つぶつぶとした発光が、冬を焼いている