0822

行かなくて済むように、祈りながら予約のボタンを押下する。お待ちしています、待たれているのはわたしではないのだろうということを、他の人たちよりもきっとずっと執拗に知っている。見えないものの方が怖いね、見えるものの方を怖がるくせにみんなそう言うね、耳を満たしていた振動の粒子がふつっと途切れてそれを知る。冷風。ボウルの中で混ざるあれこれ、潰されたあれこれでなぜか吐きそうな気分になる。我慢する。

見ず知らずの子どもが静かに海を眺めていた。生きているということも、いつか死ぬということもなんとなくわかるけれど、生まれるということがよくわからないのだと、だけどもう2度と生まれないのだからきっとそれでいいのだと、そう言って笑った。きっとまた何度か生まれる曖昧な予感が鳴った。

水知らず

睡魔を伴う眠りには甘さがあると思う。夕方の眠りは甘い。

すっかり夜になれば空がひび割れるような音がして、窓が光る。頭が痛い。偶然寄ったリビングで、懐かしいものに鉢合わせ、不思議な気分、そんなことを繰り返してばかりの8月を開き直っている。ずっと前に過ぎてしまったのに、まだ祝えていない友達の誕生日のことをずっと考えている。考えている。