0705

いちばんめにあかるいあかりはもう点けない、ペンのことも探さない。ひ弱なあかりと鈍い鉛筆の肌触りで夜を越そう、そういう夜にしてしまおう。真夜中の眠れなさを何度だって超えて、今夜の足はここに立つ、ここに置かれる、文字に振り回されるもう片方の端は冬であれば神様の口元にも繋がっていたのかもしれないけれど、しかし今は冬の裏側・真夏の手前、さらりとした温度がべたりとした湿度でやってくるから気が狂う。夜と朝との境目をていねいに調べて、見分け、その隙間にそっと足を入れることができれば、眠りの中へ入っていくことができるだろう 夜は底なし、底なしの夜は朝を経由して昼間の熱へと拡散していくそれまでの間(メモ終わり)

 

嬉しい用事、楽しい用事、何もかもを隠して外に出る。雨が降り、公民館には人の列。転居日の都合から私には選挙権がなくて、ないから素通り、この一時的な権利のなさ、それがもたらす所在なさはきっと何事かへの案内になるように思う。電車に座れる。揺られているだけで感傷的になれてお手軽。乗り換えで少し迷う。地下へ地下へ潜って、一駅だけ流される。地上へ地上へ浮かんで、道を間違える。都会。人間のためにできた堂々たる森林 小雨 今日は人に会ったのだった、それはとても楽しいことで、楽しいことが楽しいこととして立ち現れてきたことが嬉しかった。まだ健康。ずっとそわそわしてしまって、落ち着きと優しさが今後の課題、いいねいいね、楽しいね。

この数ヶ月の間まるで遠ざかっていたエネルギーの放出、授受、力尽きて、用意してくれた夕飯の味はわかるが座っていることも何かをすること、目を開いていることもしんどかった、部屋に帰ると眠る、ものすごく眠る。