0815

朝起きる。私以外の家族がみんなで朝食の卓を囲んでいる音が聞こえるから、喉が乾くのにも耐えて話し声と食器の当たる音を見逃すことも当たり前のように繰り返す。ロフトベッド。明かりをつけない朝方の部屋は水色。一通りの音が落ち着きかけると私は梯子を降りる。はじめてこのベッドで寝ることになったとき、体の鈍いわたしはこれだけの高さでもそれなりに不安になったことを覚えている。4年間怪しげな場所で動き回ってそちら方面にもすっかり図太くなったわたしは、もう平気で駆け下りることができる。

午前中、頭が痛くて寝ていた。布団の上に戻ってしまえば寝るつもりだったのがばれてしまうと思い、机の下に体をねじ込んで横になった。机上には本やらカメラやらあれこれが積み上げられていて、何かあってこの山が崩れるようなことがあれば、何かしら無事では済まないだろうなと人ごとのように思った。そのまま寝てしまった。昼が過ぎても頭が痛く、結局あたりが暗くなるまでずっとぼんやりしていた。

資料を読む、借りてきた本を読む。ある課題があって、大した質量のない脳をべたりと掻き分けて、種のようなものを拾い集めてみたりもする。化粧水がもうすぐなくなりそうで、買い替えるたびに単価の安いものに変えていく感じがどうにも、どうにもと言った気にもなりつつ、そうする必要が芽生えたからこそ手にしたチックな出会いもあったりするわけで、何事にも感想が定められないそのことに大して困ったりもしない。

ぱっくり割れた真夏の日付に、祈りのことを考えたりする。