0502

仕事に行った。月に一回のそんなに複雑ではない仕事。外は少し肌寒かった。普段乗らない電車は普段乗る電車よりも混んでいる。この作業の主導者の男性は悪気や下心はないのだが平気でぶつかる距離にいたり目を合わせようとしてくるので少し苦手だ。それで相槌に「わかります」ではなく「そうなんですね」を選ぶ。別の人と話すとき、誠意として同じことをすることもあるけれど。

作業は定時よりも少し早くに終わるので、少しオフィスに寄った。いつもよりも少ないながらに人はいて、みんな少し疲れた顔をしているような気がした。土曜出勤の倦怠感を感じる薄雲った青い空気からなるべく早く脱出したかった。

終わってから、友人が出る朗読劇を見に行った。作品としては思想が合わない箇所があり苦手な部類のものだったが、一方でとても面白い試みもしていて、自分が過去にやろうとしていたことを数十倍拡張してやっているような側面もあって考えたいことも多く、体験としてとても良い時間だった。昨日見たものとある意味で正反対の性質を持っており(といっても1つと1つの比較であれば何だって「正反対」にできてしまうのだけど…)喧騒と余白、想像が駆動させられる装置、体が透明になる瞬間それは演者のことも客席のこともそうだ、あるいは体がどうしても意識されるような瞬間のことを思う。声の聖性と日常と俗を行き来する感じとか考える。帰り道、吹けば飛ぶ薄っぺらい体でふらふらとしていた。