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水に沈んでいく時の音が聞こえることがある。プールみたいにある程度人工的な水、でも何の匂いもしない清潔な水だから全部虚構だ。水色の曇り空で肩がほんの僅かに温かいと思いながら、もう何年も見ていない水面の感触がこんなにも当たり前めいて思い出せること。水のモチーフを誰もが使うのを見ていたから、私は水には触れなくなってしまった と思っている。鏡面は放っておけば汚れていく。泡立つ光、潜っていく音と重みの心地よさだけが私の空想の中にある。幸福のイメージの一つかもしれない。

最近のゲームの画像を見ていると、こんなに綺麗なものが現前されたら現実に帰って来られなくなるんじゃないかと思ってしまう。だって私が小さかった頃の画面で私の希望の全てのようにわくわくしたことが思い出せる。

思い出してばかりで寿命が縮みそうだ