0426

平日は必ず日記を書くようにしたい。よく晴れそうな予報も私にはほとんど関係がなかった。小さい窓のすぐそこに隣の建物がそびえているこの部屋に、天気はあまり関係がない。季節もいつも少し遅れてやってくるから、四月にしては暑かったあの夏日も、気づくのに時間がかかったこともある。懐かしい曲が耳に蘇ってきて、聴けば昔よりもずっと好きでいるような気がした。音を追うたびに血が泡立つような高揚が身体中を飲み込んで、これでまだ幸せにやっていけるような気がした。耳の奥に誰かの叫び声、彼らはまだ生きていると思っている。思っている

夕方、外に出る、風は生温く陰った空気はまだ冷たい。安心する。季節がゆっくり進むことにはいつも安心する。春の夜、風が強いことで去年の夜を思い出せる。あのまま夜に飲み込まれてしまいたかった夜だ、今はもう眠ることができるできてしまう。望みはまだ生きていると思いたい。

シャワーを浴びて、腕と腹の間にできた石鹸の油膜の上にはグロテスクに無数の虹が揺れていた。弾ける瞬間のくすぐったさ、ひとりでたくさん笑うことができる。