0528

嵐のようだなんて一度も思わなかったけれど、過ぎ去ってしまえば恐るべき勢いだったとしか思えないようなことがある。そろそろ今の生活が終わる。今日は暑かったのか、寒かったのか、わからない、上下左右から声が聞こえて、輪郭の裂け目があることに私はいつも安心している。風。サイレン。挨拶。ずらりと並んだ顔は何だか滑稽だ。その一部としての私。

映画が苦手なことがコンプレックスになりつつあって、よくないと思う。私には私の好きなものがあって、それは誰に説明できるものでもないかもしれないけれど、それでいい、それで大丈夫だという気持ちが早くも揺らぎかけているのだとしたらそれはとても恐ろしいことだと思う。人間を遠く感じるのは例えばこういう時であったりする。明日は外に出るけれど、ろくな靴がない、シャワーの光は無数にこぼれて消えていく、空から降り注ぐ痛みの群れが、みんな羽に変わってしまう瞬間のようなことを考えてみる。