0216

春のような風が吹き荒れていた。一歩も家を出なかったけれど、窓を開けた時に流れ込んでくる空気の甘ったるさに外が暖かいことはよくわかった。虚無。

3週間ぶりの面談も何を話すか決められていなくて、日記はこの通りあてにならないし、そもそもぼんやりと過ごしてしまったから傷つきもしなかったこの期間、何があっただろうか、と話してみれば議題がある時よりも話は根元へと向かっていくことが、文字で知ったことみたいで、云々。

高校三年のときに電車とホームの間に滑らせた左脚の、古傷がたまに疼く。人体の記憶を思い感心する。

図書の予約一覧があって、なかなか回ってこない本があるからいつも一定の厚みがあって、それが少し物足りないように思えて何が消えたんだっけと思えば今手元に開いている本がそれなのだった。明日が返却期限で、私の後ろにもずらりと並んでいるから延長は不可、その前に好きな言い回しを書き留めたくてパソコンの横に開いている。そうだ、今朝は盛大に寝坊した。起きたくないなあと思う感覚はどこか懐かしくて、きっとこれから帰っていく場所なのだと思うと本当に虚しい。