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うまく眠れていないせいか、頭がくらくらして何もしなくて済むならば心地よくすらあって、第六感だ、早く言葉を見つけないといけないから、私は ここまで書いてあってこの後何を書きたかったのか全く覚えていないのだった 安い香料では限界があるから、何か匂いの深い花を部屋に置きたいと思った 何があるだろうか なんだか初夏みたいな空気だ、と思ったような気がする。

起きたときには嫌になるくらいに明るく晴れていたはずだったが、昼頃には空は暗くなっていた。今日は気圧が下がると知っていたから、朝起きてすぐにそういうあれこれに効くと謳う薬を飲んでいて、そのおかげかあまり血が重たくなるような感覚はなく、けれども気分が濁ってしまって、不安と不快と焦燥と憂鬱の小さな波に揺られて、結局元気になったのは、すっかり暗くなった後、夕飯を食べてからのことだった。

昨日、眼鏡の簡易調整に行った。二言三言話して、パーツを捻じ曲げてもらい、また少しやりとりを交わして調整する。終わり、定型文でのやり取りを経て、私はお礼をいう。そのとき、一瞬、何から何まで嘘だけれど、本心での会話のような切実さがそこに発光したのが見えた気がした。それで、あ、すごくわかる、と思った。店員としての人格が自走して血の通う瞬間とでもいうのだろうか。すごくわかる、と思った。そういうことが私にもあった。

髪が長いので、ドライヤーをかけているうちに洗面室の鏡が曇ってくる。それが面白くて最近は毎晩髪を乾かしている、日に日にドライヤーが重たくなっていく気がする。追加上演をみた。表示がバグを起こしていたらしく、視聴者数はゼロのまま、わたしはゼロ人のうちのひとりになっていた。誰もいない劇場の上演を幽霊のわたしが見ているような気分になった。途中で表示が戻って82、お互いの幽霊の気配が顕にされたような感覚、姿は見えないけれどいない彼らがいることだけがわかる、そんな感覚がして、CGの部屋の映像を眺める、声をきく。

雨の音がする。