0610

どうしてだか眠れなくて、音楽を聴く気になったけれどどこにも落ち着かず、色々なところを行きつ戻りつするうちに、調べる相対性理論に収まった。そういえば、久しぶりに聞く声だと思った。

初めて相対性理論を知ったのは、もう7年前になると気づいて呆然としてしまう。高校のとき軽音楽をやっていたから、入部したてのころに先輩たちが演奏しているのを聞いて初めて知った。ちょうど今くらいの季節で、その日は雨が降っていた。もともと自分に馴染めそうにない集団を志向して選んだ場所だったから当然ゆるやかな憂鬱とともに日々を暮らしていて、まだいつ辞めるかばかり考えていた頃だった。自由に休んでいい、というのがどういうことなのかもわからなくて、意を決して早退しますと先輩に伝えて、帰る間際のことだった。曲はシンデレラで、少し複雑な左右の手の動きと静かに伸びていく音、今もそうだけれど当時はもっと音楽なんて聞いたことがなかったから、こんな曲があっていいんだ、ということが妙に新鮮だった。まだ明るい帰り道の妙な罪悪感と、灰色の空気が重たく垂れ下がっていたのとなぜか生垣のことを覚えている。静かに雨が降っていた、のはあまりにできすぎているから本当は雨が降り出しそうなくらいだったのかもしれない。

5時くらいまで記憶がある。鳥が鳴いていた。それでも気づけば眠っていて、また夢を見た。曇り空のした、校庭みたいなところにわたしはいた。だだっ広くて、有名な曲が流れている。みんなが駆け出す中、私は歩いている。本当は、公演をする、外れたところにあるブンピカみたいなところだ。そちらに向かう。前だか後ろだかの団体が同期の4人組で、そのうちのひとりとすれ違う。遮光された部屋、作り物の星みたいにきらきら。次のシーン、友人と観劇だか何かに行く。お金をくれようとするがやんわりと断って自分のお財布に千円足して全部で9千円。お土産のお菓子をその子にあげる、観劇前と後用にひとつずつ。厚みがあって甘いお菓子。次のシーン、車に乗っている。曇った日の青っぽい空気で、真っ白い街を車は走っている。この街のアーティストなんです、ラジオから知っている曲が聞こえる。へえそうなんだ。

目が覚めて急いでメモをした。

日焼け止めを買いに行く。めずらしく気に入っている服を着たら、母に悪魔みたいだといやな顔をされる。風の強い1日だった。陽射しはますますくっきりとしてきて、木漏れ日が夢みたいに光って、揺れて、木陰の大好きな季節。説明会はアクセスできなかった。カフェインを多めに摂ったらものすごい眠気に襲われて寝てしまう。単に寝不足のせいかもしれない。締め切りがあって、言葉をごりごりと削っていく楽しさとしんどさ、そればかりで終わる。あまり食欲がない。いつか誰かに言いたい、「幸的な何かの多からんことを」