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どうしても朝望み通りの時間に目を覚ますことができないから、今夜はカーテンを開けて寝ようと思う。知られれば嫌な顔はされるだろう、なにせここは私の家ではない。

よく晴れていたらしい。外には一歩も出なかった。自室には小さな窓があり、時間によっては陽もさす良い塩梅の通気口なのだけれど、すぐ向かいにも同じくらいの高さの建物が立っているために空模様までを知ることには多少難儀する。もうすぐ降るかと思えば穏やかな薄曇りだった、といったことはよくあって、天気のよくわかる部屋に行って正解を知ったときの驚きを、わたしは嫌いではない。

今までできなかった分、これでもかと爪に色をのせるのが楽しく、かつ乾くまではそれこそタイピングくらいしかできることがないものだから、作業に自分を縛るための手段にもなり、趣味9実益1くらいのために今は赤と青を2度ずつ塗り重ねていくつかの指先が紺色に塗られている。とはいえ私の担当する家事は主に水仕事になるので、すぐに縒れる。ぽかりとあいた穴になるべく概念上無色に近い色を、と探すと金色のラメが見つかるのでぽいとのせると奇妙な柄になり、あまり綺麗ではない。余計なことばかりなら書けて今、私は元気なのだろうか。今日は一日中同じ曲を聞いていた。フリーダウンロードのために、条件である音楽サービスへの登録をついに済ませてしまい、つくづくちょろいものだと思う。