0611

夜が明けてから眠って、人が動き出す頃に起きる。

眠れないけれど電気をつけるわけにもいかないので、手遊びか考え事くらいしかできることがない。昨晩が風が強くて、窓をひとつ開けているだけでも十分に部屋にまで流れ込んでくる。安直に水の連想をする。潮の満ち引き、空と海は繋がって、本当は夜中は埋まっているのかもしれない。非常にセンシティブ、海がいつまでも優しい場所ならよかったのに。いつか空が落ちてくる日だって来るのかもしれない。

今日は夢を見なかった。6時半に起きた。表向き健康的な生活。低気圧で頭が痛いというのを母は嫌がる。

昼になっても、台風の前夜みたいに風が強い。とうとう冷房も解禁になって、あのつくりもの特有の硬質な冷気がわたしは好きなのだけれど、それにしたって外は薄暗くて、風の音がびゅうびゅうと鳴り止まない。人がいないのを狙って公園に行ってみれば、やはり清掃のおじさん以外には誰もいなくてとても静かだった。小さな声で歌いながら、ぐるりと一周してブランコの上に落ち着く。気持ちの問題だけれど、つり具は触らなかった。諦めと悔しさ。雨が強くなってきたので帰った。それだけのことが大事だった。はきはきとしましょうきびきびとしましょう、それだけで社会は随分と怖いところに見える。思いがけない懐かしい人から連絡がきて嬉しい午後。かろうじて掴みかけていた指針は少しでも気を抜けばかき消されるように見えなくなる。頭が痛くなって寝る。目が覚めると、雨がさらに強くなっていた。頭が痛い。頭が痛い。

芋蔓式に思い出して、FLASHBACKMVをみる。フラッシュバックという技法を初めて知る。