0331

顎よりも少し下に揃う高さに切った髪の調子は良好。終わる三月の町、曖昧にうす青い空がのしかかる。湿度の中の木の匂い、花の匂い、質量を持って流れる時間。宇宙光線。街に出れば猥雑な光だらけだ、声だらけだ、顔だらけ視線だらけ足音だらけだった。言葉を並べる。最後、最後。挨拶。定型文に飲み込まれて死ぬ。

光に包まれてすべて終わってしまえばいいのにとずっと言い続ける、古びていく体の中でずっと子どもでいる。差しっぱなしにしていたUSBを抜いた。