0905

毎月5日はよく覗くサイトの更新日

それはそれとしても見たくなるような舞台の告知がいくつもいくつも折り重なって、東京という場所柄の特別さを思い知る。行けないけれど、行けないけれど行きたいものは有名どころだけで年末までに4つはある。

少し体を伸ばす。爪の先だけ色を塗る。

気がつけば夕立だった。雨の酷かった真夜中に、コンビニまで歩いて帰り道傘を外して歩いたこと、目がほとんど開けられなくて色も光も粗く滲んで見えたこと、いくらだって歌えて、重たくなった衣服をそのまま洗濯機に入れたらきっと飛べるくらいに軽くなった気分でいたこと、きっとそのうちのいくらかはただの想像でしかないということ。

ブルーライトカットの眼鏡をかける、視界がすこしだけ黄ばむ。正しい色でものが見たくても正しい色がわからないのにすぐぶつかることができる、結局、結局相対でしかないのですか。何もかも手遅れなような気がしているから手遅れになるということを、割と前から自覚していたはずだったのに。昨日買った匂いのつく霧吹きを手のひらにすこしだけ当てる。昔持っていたハンドクリームと同じ名前がついていて、どういうわけかわたしはその名前のつくものをずっと探していたのだった。手のひらからふくらんでいく香りは、案の定というべきか、想像から剥がれていく。些細な失望が、薄れていく憧れと時々交差してちらりと光る。