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久しぶりに起きられなかった。アラームは鳴っていたのだと思う。覚めてしまえばかけらも思い出すことのできない夢から、意識を引き上げることができなかった。目が開いてからもしばらく意識はこちら側とあちら側で明滅を繰り返して、それからしばらくの間、身じろぎひとつすることができなかった。こんなことは久しぶりだった。夏の始まりごろにはよくあったことだった。

微熱があったらどうしようなどと不安にならないでもない。念の為熱を測ったら36度を下回っていた、それでも頭は重たいままだった。ダイニングテーブルまで行かないで、台所の端でひっそりと食事をするほうが落ち着く。強烈な眠気で起きていられない、文字もうまく追えない、不思議だった、夜もうつらうつらしながらなんとかほんの少しだけ進めた、とても眠い