~0923

ものすごく眠い日が続いた。朝起きてはすぐに耐えられずに寝て、ぼんやりした頭で昼食をとるもののすぐにまた寝てしまうような、一日中頭が重たく意識が霞んでいるような日が続いた。それは突然終わって、目が覚めたらしっかりと目が覚めたとき、やっとその数日がおかしかったのだと気付いた。おかしいとは?

オンラインとオフラインで違うジャンルのワークショップをひとつずつ受けた。奇妙なくらい楽しかった。宮沢賢治の命日だったそうだ、それにちなんだテキストを扱った。ここで色々な人が泣いたり笑ったりしたのだろう、これからもするのだろうと思って声、痕跡は入れ替わるたびに消毒される。終わってからちょっとした申し込みをして、それから少し懐かしい町をうろついたりした。よくきていた頃は日に日に暑くなるあたりの時期で気づけばもう10年も前になる、あの頃どうしてあんなに嫌だったのかわからないでもないけれど、後からもったいないだのなんだの言うようなことでもないけれど、地下のひっそりとした入り口やたった3ヶ月で握力を10キロぶんは養ったケースの重たさ、広い客席、金属の味と喉の痛みのことをまだ覚えている。外は晴れ、光っていることは当たり前で、立ち帰れば色も音もすべて波なのだそうだから細かな波の応酬と合奏に打たれ晒されていたのだった私たちは、だから涼しいのはただ秋の風だった。眩しい。

バスを待てば向こう側の車線を行き過ぎるバスも目に入る、四角の中にぎゅうぎゅうに人が詰め込まれて滑稽さが電車よりも生々しいのは、そこやここが歩道と地続きだからだろうか。十数分も経てば私だってそれになる、バスの方が電車よりも降りがたい何かがあると昔から思っていて、少し遠くまで乗る。

健康診断に行った。少しだけ電車に乗って、降りて、案の定道に迷って、それでもぎりぎりに到着したから何事もなかったことにできた。台風が近づいているらしい、小雨が降ったり止んだりしていてすこし肌寒く、秋かと思えばもう秋分を過ぎている。巨大で清潔な建築の中を行きつ戻りつしながら状態のいくつかを客観視可能な数字にしてもらうこと、道のりの一つ一つが丹念に消毒されていることそのぶん空気が穏やかであること小雨でない日にはどのような色をしていなければいけないのだろうと考えてしまうくらいには小雨の日めいた空間だった、窓もないのに、

身長がすこしだけ高く出た。測りなおした方が高く出るので小さい方の数字を撮ってもらった。見られる数字はすべて正常だったそうだ。簡易的な検査では私の左目の視力はゼロらしい。服を選ぶのはとても難しい。午後はものすごく寝たからこれから本を読む。夢の中では就職活動と演劇をしていた。電話が2本かかってきていたらしい。