0918

湿り気のある風に流されるようにして目が覚めた。台風でも来ているのだろうかと寝ぼけ越しに思ったそんなはずもないのに。水流も気流も同じようなもので、大気圏の外側の生きものからはやはり、海を見るような目でここが見られているのではないかと思うことがある。いつか人類が海底を目指すように、地表を目指してやってくる物好きな何かが現れたって良いと思う。なんとなく左耳をひっぱったとき、ぐわんと重力が曲線に歪んだような気がした。午前がひどく眠たくて、次に目が覚めたときには家が静かになっていた。牛乳と板チョコレートを買いに行った。意味もなく立ち寄ったコンビニのおかげで、今日が蒸し暑いのだということがわかった。こんどは日が差していた、帰りの公園にはいなかった人がいる。似合わない色の口紅を塗る。文字を追い文字を追って眠い、タイムアウトで作業は水の泡。左手の違和感、骨や骨のあいだをぐりぐりと押してみる。再生ボタンが効かないのにkのキーは信号として届くらしい。肘の上をぐりぐりと押すと違和感はぱっといなくなる。沈黙を見ている。ぽこぽこと浮かび上がる過去の中で私は周囲に害ばかりなしている。プールに飛び込む想像をする。