0801

生理。むかしは痛くも痒くもなかった。いつの間にか、世間で言われるような「症状」的なものが私のところにもやってくるようになった。私はこの現象のことを嫌いではない。調子の悪いときひたすらにひとりで引きこもることが許されている世の中だったなら、と何度でも考える。

しかし今日は馴染みのある鈍痛ではなく、でぐちがこじ開けられているような直球の痛みがあって、ああわたしはただ穴であるのだと、意識がそこへと丸め込まれていく。産む性産まされる性、自然と浮かぶ、「私」が望むと望まざるとにかかわらず、ここから命が出ていくように作られている。スーツの下に抱え込みながら、パンプスでよろけながら歩く。椅子のない駅で座り込みたくなる。乗り換えがないことだけが救いのような気分だった。

帰り道、灰色に光る住宅街を赤いシャツの子どもがかけていく。公園の日陰にも人影、煙草の煙をひさしぶりに見た。「遅いよ」「暑くて死にそう」「死ぬわけないじゃん」影にも遠近感がある。布団の上で静かに眠る、喉が乾くまで眠る。

 

大学のサークルの、同じ地域に飛んできた同回とひとつ上の回生の人とで雑談をする会があった。オンラインだった。会えた人会えなかった人、すれ違った人、そういえば、こうして話したことってあっただろうかと思う人。