0626

夜中。ずっと気分は重くて、ふと思い立って本を持ってベランダに出た。小さい声で、詩の部分を読む、読んでいる間は言葉でいられて言葉以外のすべてを放棄して、そんなことは久しぶりだった。そうしている間だけは何も辛くなくていられた。集合的な住宅のど真ん中、起きている人には迷惑になったのだろうか、どうかみんな眠っていてくれ、品行方正な町なのだから

眠る前、非常に穏やかな心持ち、鳥の声が弾けてすこしずつすこしずつ朝の膜を張っていく音が遠ざかっていく、目が覚めればまた沈んでいく、二本の足で立って、午後へ、午後へと時間を押し流す。

光っていることはどうしてこんなに特別なのだろう。光っているものはなんだって綺麗に思える、同じエネルギーでも熱にも高さにもない憧れがそこにはどうしようもないくらいに詰め込まれているような気がする、あるいは人間の体が光らないようにできているからだろうか。

 

頭がいたい、頭がいたいで言葉を直し、直しする、寝る、頭が薄らぼんやりと痛む、それでも脈は落ち着いたし心臓も少しだけ元の大きさに戻ってきた、気がする、時間、時間の隙間がこれからもほしいよね。保健室によく行っていた、いつかのことを少しだけ思い出す。