0709

オーバーラップには点滅の印象がある。一瞬の感光みたいにして ラップ、の途切れる音からの連想かもしれない。ラップは点滅。点滅する透明の膜、あるいは言葉の連続。

周囲への適応がうまくいかない時には自分のことを宇宙人だと思って過ごすと良い、といったツイートを見かけて、なるほど、と思ったけれど、自分が自分のことを特別だと思っていると思われてしまいそうで特にリアクションはしなかった。それでもたまに思い出すと良いような気がしたのは、集団が小さいほど例外になる可能性はどうしても生じてしまうということを知っているからで、小さい集団のちっぽけな若干的に例外としてあったことのある日々を思い返すからで、あるいは直面するからで、要するにそれは巡り合わせの問題だ。そもそもみんな死んだら違う星になってしまうのだし、生まれたときだって違う星から生まれてきたことにすれば良いのではないですか。

いつのことだか知らないが、私は宇宙からきた子なんだと、母は誰かから教えられたことがあるらしい。私は私の与り知らぬところで、母を悩ませていたのかもしれない。宇宙から来たから、すこし周りと波長の合わないこともあるかもしれないけれど、でも必ず人の役に立つ存在になるから、大丈夫だと、言われて母は安心したのだろうか。

 

悲しい報せが折り重なっていく今日だった。何度だって外に出ることを夢想しては気が気でないまま日が暮れた。みんないろいろなことが悲しい、わたしもいろいろなことが悲しい、こうなる前からも悲しいことはあって、こうなってから生まれた悲しいこともあって、みんな悲しい、深呼吸をする、頭が痛む、深呼吸をする、悲しい。頭の慣れないところが痛んで骨でも掛け違えてしまったかのような気分だった。誰がどんなことを思ったのか言ったのか、原理的に私は知ることができない。