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朝起きると悲しくて、悲しさを消化できないまま日が暮れた。どうにか会社説明会の動画を一社ぶん見たけれど、求める人物像と少しも噛み合わなくて投げやりな気持ちになる。

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こちらに越してきてから毎晩、ストレッチをするようにしている。家族が寝た後に30分くらいかけて、合っているのかもわからないやり方であちらこちらを伸ばしたり縮めたりしている。日に日に少しずつ体の可動域が広がっていく、そのことだけがかろうじてわたしの自己肯定感を支えてくれる。自由な体がほしいと思った。踊りたいときに踊れる体でありたいと思った。小学生のころ、膝を痛めて整骨院に行ったことを思い出す。レントゲンを撮られて、股関節の骨の重なりが浅いのだという話をまるで他人事のように聞いた。もう少し浅ければ手術も視野に入るらしいが日常生活に支障が出ない限りこのままで大丈夫だろう、とそれからずっとこのまま。股関節があまり動かないでしょう、女の子座りとかできる?と聞かれたことを覚えている。日常生活には差し障りは出なかったけれど、たしかに少し足を開くとき、付け根のあたりから回すとき、少し硬い感触がして不安になる。不安になってようやく、他の体を生きたことがないことを思い出す。奇妙な気持ちになる。引きずられるようにして、深夜にほとんど明かりをつけないリビングで股関節を重点的に伸ばしたり縮めたり回したりする。たまに違和感が出る。自由な体になりたい。踊れる体を持ちたい。