0518

液晶の中に風船が飛ぶ。わたしの体が生まれた日を、わたしの体のない世界で祝われるのは何だか不思議なことのような気がした。

そういえば半年くらい前、わたしは十年ほど前から持ち運んでいたことを打ち返していて、十年後くらいにわたしの知らないところで、誰かがまた打ち返してくれたらいいなと思う。言葉はやっぱり呪いだと思うしだから大事。よかったと思う、間違いがなくてよかった。壁紙の凹凸に体が吸い込まれそうな意識のままでいたい。思い出すみたいに人が話す声がやっぱり好きで、今日は湿度、雨が降りそうから先が止まったままの窓の外と画面越しに話す人の声、手が見える。元気である以上に元気ななふりをする。