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どうして舞台を見にきているのか不思議に思う。こんな気持ちになるのなら、劇場になんて行く必要はないはずだ。何をしているときにも似たような呆然は現れて、呆然を乗り越えた先に何があるかといえば十中八九何もない。でも真ん中の、縦に見ても横に見ても真ん中の席を整理番号108番なのに陣取って座っていて、意地?

自由であることが許される声、体と私のようにそうではない声、体の違いは何だろうと考えてしまう。答えは明瞭で、それゆえに私自身の許されなさが証明される。(俳優やダンサーの体は決して自由ではない。定められた通りに動き、定められた通りにやめることが求められている。それでも私は羨ましいと思ってしまう。いつになったら妬むのをやめられるのだろうか。)

チケットなどを保管するための何かが欲しくて、文房具屋のことをよく考えていた。休憩時間に地図アプリで調べて、行くのが面倒になり、そもそもノートとか続いたことないし、全部やめにしてしまった。名刺入れみたいなものがあればいいだろうか。ぺたぺた貼れるとなお良いのだが、性質上不可能な気がする。家に帰ってからは本を読んでも映像を見ても嫌になってしまうばかりで、久しぶりに駄目なお酒の飲み方(例:家族共用のレモンサワーを8:2で割る。もちろん水が2)をした。素面の時に思い出し続けているさまざまな失言や言い間違いや誤った言動の数々をだいぶ忘れることができて、目的はある程度達せられた。