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ひさしぶりに6時過ぎまで寝た。眠かったのだということを思い出す朝、パンを焼いて食べられる朝。コートの襟を立てて体を前へと引っ張っていく朝。殺すつもりで歩かないとこちらが殺される、それくらいの気持ちが毎朝必要で、うまくいかない今日は乗り換えの駅で何度も体がぶつかる、波を縫うことができない。ひと月弱も通えば場所はそれなりに居心地が良く、人に恵まれる運はかなり強い方だと自認している。終わりがわかっているから簡単に心を許せるということはある気がして、2ヶ月で1周のかつてのサイクルと感情の注ぎやすさ、それによって生じる独特の快と息苦しさを思い出しながら、ここではそういうことはしないと何か遠いものに、ずっと前にもらった鏡などに誓っている。やはり先週の稼働が問題だったようで、定時を過ぎて早々に帰される。何も終わっていないのに良いのだろうか、何もできないのに良いのだろうか、何かと期待してもらっていたようだったけど、そろそろ幻想だったと気付かれてしまいつつあるだろう。もともとそうだった。行く道と帰る道のどちらが冷たいかはいつも運次第で、ビル群の隙間に、朱色から紺色へと嘘みたいな階調。