0208

淡い朱色が夜を乾かしていくのが道の切れ目からよく見える、毎日電車でゆらゆらして、何が悲しいのか絶望的なこころばかりが育って、でも歩いてるってことは元気なんだろう、周期的な朦朧も訪れてだからそういうことなんだろう、窓のない部屋、廊下に出るとやっと外の薄曇りがわかる。

声を荒げてしまった、やってしまってすぐに気づいた、何も考えていなかった、欲望や苛立ちの自覚が先にくると思っていたのに反射のようにそうなった、救いがあると思えるのかわからなかった。まだ若いから、でもいつの間にか歳をとってそれは暴力以外のなにものでもなくなる日が来る、対策として何がある?私にはパワハラの才能がある。無能にもハラスメントはできてしまうのだ。

駅でパンを食べる人の、ちょっとした間抜けさとささやかな物悲しさを見つけるそばから空間はひっくり返ってひどく親しまれる