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空に浮かび上がり、解けていく体のことを、空に浮かび上がり解けていく体のこととして理解できなくなるときのことを恐れている。湯船に柚子が浮いていて、この冬二度目の冬至だった ふやけた白いところから筋は浮かび上がり、人の血管のような枝分かれとして湯船の中に切り離されていく 揺れる 白い血管、標本……骨格の標本……あんなことを言ってしまったから、わたしは脚の骨について知らなければならなくなったような気がする(気がするだけ)

最近音楽を聴いていると、他のデバイスでも音楽を再生しようとしていると言われて止められて、そんなこと知らない、知らないです。調整によって妙に近くで聞こえるように工夫された音楽の声。存在しない距離の中で両手を閉じたり、開いたりする。妹に出る咄嗟の謝りが「すみません」であることを度々母から指摘されるのだけれど、それは卑屈さや謙虚さに属するものではなく、相手によって語彙を変化させることから生じる機微から逃げた怠惰の結果です。