0502

追悼みたいだと思った。今度こそもう会えない人のことを考える。11月の午後を思い出す。あの日、晴れていて、穏やかだった。

外は青く、内は黄色く、ほの赤いバスタブに窓から外の青が差して影とも光ともなく染まっているのが嘘のように眼に映る。

晴れては陰り、降り、また晴れてつよい風が吹く日が続いていて、雷も鳴っていた。図書館はまたカウンターだけの営業になっていて、急ごしらえのバリケードにA4用紙の「立ち入り禁止」が悲しい。入り口の光が溢れて薄明るい閲覧スペース。外気の生ぬるさ、5月、公園の賑わい。

私の中を叫び回る何かも、首を締めに来る無数の手もまたよく現れるようになって、久しぶり、と言う。もういなくなったのかと思っていたけれど眠っていただけみたいだった。インターネットに友達ができたおかげで比較的穏やかな気持ちで過ごせているけれど、それでもそう長くない期間でだいぶ入れ替わったことを思うとそう続かない安らかなのだなと思って少し寂しく、私は本当に友達になりたい。本当ってよくわからないけど。何もかもを空回りさせていた昔のことを思うと、人が話しかけてくれること自体が不思議で戸惑う。ありがたいことだと思う。


よくない、と思った。底のない穴に落ちていくような、重力から見放されて寄る辺ないような感覚に飲み込まれていくのを感じた。去年であれば納得したが、今は理由がない。ぐらぐらとして、体がばらばらになるような感じがして、ああよくない、よくないと思うこともよくなくて袋小路。ぼんやりしていく頭、息が苦しいまま夜になる。