0523

昼に起きた。不思議だった。気分はさして重くもなかった。明日の夜までに書き終わらなければならないものがいくつかあって、それを書いたりしていた。それから好きな詩集を少し読んでみたりもする。『する、されるユートピア』、下宿を撤退してから実家に戻るまでに半月のタイムラグがあって、その時に持ち運んでいた一冊。そこにはさらに、一番好きな公演のパンフレットが挟んである。薄い紙の間からさらに薄い紙をそっと引き出して、文字を追う、この瞬間だけ見えるあまりにもあまりな鮮やかさは私の手の届かない次元の向こうではっきりとしている、こんなに使い古されたことばで、このどこまでも新鮮な感触をどれほど言い当てられるというのだろう。

大して現代詩に明るいわけでもないけれど、好きな詩集を選べと言われたらかなり困ってしまうな、と思って少し嬉しくなる。夜は友達と話をしていた。最近のこと、勉強のこと、これからのこと、などなど。こうして話し終わった余韻はいつも、良い友達を持ったなと思う感情。