0413

悲しいことや悔しいことが細々とつもり重なっていって、人と人との間には細かい隙間がたくさんあるのだなと思うようなことがたくさん起きて、ヒトがデジタルに勝てるところなんて結局0と1だけでない世界を持っていることなのだから、一個一個の違いと同じを一個一個の違いと同じとして認識を留める不断の努力が必要なのだから、簡単に敵とか味方とか振り分けないようにしたいと思う、わかりあえないことはゼロイチじゃないし、思想はたったの二つしかないわけない、賛否は白と黒じゃない。敵でも味方でもないからわたしたちは友達になれたのかもしれない。

きょうは春らしくもない強い雨がざあざあと降っていて、列島の質量を支えていそうなあたりでちょっとした揺れが起きて、そういえばずっと昔のバレンタインに、友達が日本列島をかたどったクッキーを焼いていて、案外この島はクッキーみたいにほろりと崩れてしまえるんじゃないかとどこかで思うわたしがいる。

クッキーの上にちまちまと作られた街の中で、ちみちみと暮らしている人類としてきょう、ひと月ほど前にもらった加湿器をようやく開封して使ってみたら、最近で一番嬉しい気持ちになれた気がした。跳ねず踊らず、ただ率直にひかりみたいだったこれが愛ならいいなと思った。