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熱狂は怖いなと思う。とりわけまるの中で熱狂するために熱狂する人々、怖いと思う。悪いことじゃないけれど、きっとわたしもどこかで同じようにしてきたけれど、でもやっぱり怖いと思う、結束の裏には排斥があり、時としてそれは善意の顔をしてやってくることをわたしはずっと想像していた、どうか違う生き方を許してください、熱狂してからまるになりたいせめてと思う。わたしとあなたは違う体に入っていて、一生わかりあうことはできないそのことが苦しいから、逃げたいと思うのだろう、都合よく枠線だけを見ないふりして生きられるユートピアを目指すのだろう、馬鹿。

主人公みたいな顔をして生きてる人が怖い。視界にすら入らないワキヤクのこと、ちゃんと知っているのだろうか、わたしたちにも本当は内臓があって、脳があって、ものを考えているということになっているのだ。嘘でありたかった。

お腹が空くことが気持ち悪いと思うようになった。食事を黙々と与えられること、代わりに連帯に参加しなければならないこと、どちらも幸せなことだけれど、後ろめたくて息苦しいから、お腹が空くことが気持ち悪い。とんだわがままだ、手に入らない人がどこにでもいるこのご時世に。シャーペンが紙に擦れる音、紙をめくる音、なるべく響かないように息を潜めて暮らす、 

あなたもわたしも自分勝手だと責めたらわたしの自分勝手ポイントだけ上がってしまうから言えないようなことはたぶんいくらでもあるだろう、拒めないことが首を絞めにくる日が、未来にあるとすら思っていなかった。きょうだって一歩も外に出ないで、いつも通りに暮らした。頭の中は袋小路で、長所も短所も書けやしない。