0601

ずっと4時間半居残りが続いていた残業時間の調整のため、5月最後の日は午後がお休みになった。散歩をしたり、いつもの無意味な発声練習をしにいったりした。驚くほど気分が軽かった。いつの間にか寝ていた。

電気をつけたまま寝てしまったからか、3時に目が覚めてそれから眠れなかった。ぼんやりしていることもできずに読みさしの詩集を読み切り、なぜか借りてきた短歌雑誌をめくり(私は普段あまり短歌を読まないし詠む方は全くできない)、ぼんやりしているうちに窓の縁が冷たく水色を帯びてくる。ぐるぐると考えて、光り続けることができないのなら瞬くことすら許されないなんてあまりにも非情だという結論に達した。6時までは記憶がある。次に時計を見たら8時をすぎていた。目が覚めると爽やかな空虚の中にいた。2023年5月の残骸が、何かが終わってしまった後のような、涼やかで晴れやかな朝の背後にたしかに転がっている。悲しい気持ちだけがあった。悲しく思えて初めて現実のような気がして、悲しさのことを現実だと思い込んでいるだけなのかもしれないと思う。

仕事は、別にやることがたくさんあっていつも通りだった。30分遅れたけれど、久しぶりに講義に出られた。