0412

あ、まずい、と思って、存在の芯が重たく地中へと引きずり込まれるような感じがした。生暖かな昼下がり、休憩が明けるよりも少し前のことだった。何をすることも私の体を削っていくことのような感じがしたのに、ひとと話さなければいけなくなって、繋いだ通話画面の前で私の声は異様なまでに溌剌としていて困惑した。春。恐ろしくはない。けれど、晴れやかな気持ちにもならない。四月にしては強烈な熱気が体にまとわりついて、私の重力は所在なく揺れている。