0201

いつもより少し早く起きて、いつもより少し長めに電車に揺られて、行ったことのないオフィスに初めて入る。これから少しの間はここに通うことになっている。小さなエレベーターが何機か並んで、それに乗って、いつもより短めに上昇、いつもよりたくさんカードのチェックが必要。小さくて白い部屋に座って、重力を保って、これからやっていくのだろうかとか不安にもならないでなぜか友達の顔を思い出したりする。

共有スペースの席は思ったより空いていて、そのまま食べようとしたコンビニおにぎりの海苔を破壊してしまう。食べ終わって、少し寝ておこうと突っ伏すと人間の嫌なにおいがして気分が悪くなった。小学校の頃、お風呂に入っていない日数を自慢する子が隣の席になったときとても嫌な気持ちになったことを思い出す。その嫌な気持ちは単純に暴力だったのかもしれないと思って、連想はそのまま中学校に上がる。コンビニのからあげの存在を知らなかったのを理由に「箱入り」と言われていた時期がある。私の言い分としては、コンビニに入って買い食いができるほどのお小遣いがないので知らなかっただけで、揶揄するような呼び方は心外だった。でもそれ以外に用意してもらえる食事で十分生きていけたのだから、やはり恵まれていたのだと思う。ではそれに対してどのような感情を持つことが私の倫理になるだろうか。

意識が少しずつ希薄になっていく。言葉が遠ざかっていくことが怖い。