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晴れ模様、平熱で心地よい昼間の。ガショウセッシュと言うらしい。臥床接種。対応してくれた看護師さんがみんな名状しがたいほどにやさしくて、なんて職業なのだろうと思う。実在するのかわからない小さな光のノイズを左腕に得て、呆然と天井の模様を眺める。いくつもの声がざわざわと空間を埋め尽くしていて、それがなぜか安心する。隣のブースでおじいさんが笑うたびに足先がふるえる。輪郭までは届かないいくつもの声、ざわざわざわざわとしている。