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祝日や土日に働いたりしていたので時間外労働時間が半月で60時間を超えた。上長に通達が行き、チームの判断で残業に制限がかかり、わたしの休みが一日増えた。まだ制度に守ってもらえているのだと思って、安心はしなかった。いつか制度にも守られなくなる日が来る。いつか誰にも心配されなくなる日が来る。働くことだけに日々が飲み込まれてしまう日がいつか来る。それまでのいくらあるかわからない余生を静かに延命しようとしている、そういう世界観で生きている。延命の時間は美しいほど良いと思う、いつか自分が死んだことにも気づかないまま死んでしまうその日を漠然と恐れながら逃避する、それでも私は選んでしまっているのだ。それでも周りの人が優しいから、わたしの日々は穏やかで、こんなに効率が悪くても嫌味のひとつも耳に届かないし、怒鳴られたこともない。隣のグループの同期がひとりパワハラで辞めたらしい。最初の一週間ほどが過ぎてからいちども顔を見なかったな と思って わたしはそれほどまでに薄情なのだから、………