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もう考えてもいいころだ、声を出してしまうことや歩いてしまうことの怖さ、場にいてしまうことの不安を思い出すべきだ、空洞のままごろんと生きてしまっていることを思い出して、後悔と未熟を受け入れきれない小さい体が野ざらしになる状態を認識すべきだ、言えなかったことばや間に合わなかったことばをなるべくそのままの姿で呼び戻して、通り過ぎることを選んでいたその一秒でなるべくたくさんのことを思い出したい。