0406

午前に出社して用が済んだら途中で帰宅するとか、ワクチンを平日に打ちに行くとか、勝手な従順で自分の首を絞めないために、組織に対して制度の範囲で少し悪い人でいようと思っている。そういうわけで、3回目の注射を受けに行く。ざらつき始めた日差しは頬に、乾き始めた桜はばらばらとちって、つい先日蕾だったチューリップはすっかり真っ赤になっている。駅では小さな姉妹が口喧嘩をしていて、お姉ちゃんがいない間に妹さんがどこかに連れて行ってもらったらしい、泣きそうな声を聞いて、切実だよね、そうだよね、と思う。

懐かしい建物で接種を受けた。初回で気分が悪くなったので、寝かせてもらうようにしている。とても注射の上手な女性だった。ぐらりとした気分がして、それもどこまでが本当のことなのかわからず、私はいつもぼんやりしている気がするし、体とはいつもどこかしらが違和感であるような気がするし。気のせいかもしれないふらふらのまま15分は過ぎて、家に帰る、今のところは多分、何も起こっていないと思う。