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寒気で目が覚めた。嫌な予感がした。水曜日だと思っていたら木曜日だった。

ふと思い立って、午前に少しだけ、筆致の気に入っている文章をそのまま打ち直すことをためしてみた。自分がその文体の何を好いているのか、その文調の何が自分にそう思わせるのかを知りたくなった。一旦ひと段落分うって、何が書いてあるのか、それは何の要素なのか、どことどこの情報がどう繋がっていて、それが私にどう思わせるのか、そういったことをただただ考える。お遊び程度が自分の限界であることは自分でよくわかっていて実際その通りになるけれど、何か素敵なことをしている気になれた。幼稚園で時計を分解したことを何となく思い出した。

そうして結局インプットの足りていなかった何もかものことを思い出す。初めからこうしていればよかったのだろうか。こうしていれば、かすかすでべたべたした文調も、少しはましになっただろうか。まだ間に合うだろうか、もう遅いのだろうか。

エアコンが止まる、背後の雑音が急に消える。何かに取り残されたような気分になる。机の右側、閉じたままの窓の向こうは今日も光っていて、知らない鳥が高い声で何度か鳴いた。その頃には寒気のことは忘れていた。

仮眠の間に、高熱を出す夢を見た。終わるのかなあ。