0311

日付を見て、語る言葉を持たないと思う。黙していることに逃げているような気がしている。一瞬開いた窓の外は溺れそうなほどに春で、私はずっと季節の遅い部屋に閉じこもっている。

私とはほとんど(けれども全くとは言えないくらいの距離感で)関係のないところに嫌な予感がして、けれどもそれはほとんどひと月前のことだった。何かの消えていく気配には一年たっても慣れず、慣れないことに安堵もしている。

どうにか会議は終えて、大変だ、喋っている時は必死だったから何も思わないのに、うわずった自分の声が耳に残って気持ち悪い。能力的に私は紛れもなく無能なのであって、それらしく話すことだけができるのであって、だからこれから頑張る必要があるのであって、それは私にできるだろうか、一曲一曲をスキップ、スキップ、スキップするたび押し寄せる不安は誰に話すこともできないので、でも耳に残っている、懐かしい曲が這い回っている、やっと私は輪郭を思い出して、これってとても健康なことだと思う。