0603

ものをものとしてしか見られなくなったら終わりだ、慣れない目がぱりぱりとかわいてゆき、はやくコンタクトを外したいのだ 耳奥の磁力が手放せない発着メロディの回りようこのことを見ている

見ていますよ

穴ぼこのおばけが見えて、壁の隙間からあなたたちがうまれる、うまれる私は歓迎私はあなたたちを

歓迎します

ここに誰もいないならばあなたがいたかもしれない 今日のことはみんなムダだったらしく私はそのことがとても嬉しかった

息が苦しい、苦しくて手足が陽炎になるのをただ磨り硝子の窓越しに眺めていた