0306

友達が横流ししてくれた名簿を見たときから、少し傷ついて帰るんだろうなと思っていた。当日の深夜にその子がくるのか確認したくらいには不安だった。大学時代に所属していたサークルの、この地域にいる人を対象とした同窓会のようなものがあった。

見た目は変わっていたりいなかったりした。分かっていたことだけれど今何をしているの以上にはうまく話をつなげることができなくて、元々上手にできていた時なんてないだろうと別の友人に言われていたから分かっていたけれど、でもやっぱり会話するということから遠ざかっていることがとても寂しかった。団体が団体なので長い時間をかけて大学を出ていたり仕事を辞めていたりいろいろあるのだけれど、変わらない形ではしゃいでいる姿を見ていたらなんだか少し悲しくなって、悲しくなったことが悲しかった。そう思う資格なんて私にだってないのに。

参加してよかったなと思えたことがあって、ひとつは一方的に少し微妙な葛藤を残したまま最後になっていた先輩と普通に話せたことで、もうひとつは、会えると思っていなかった先輩と再会できたことだった。もう一人、私が会に参加しようと思う大きめの理由だった先輩と三人で、二次会に行かないのでどこかに少し寄ることになって、少し輪が違うというので別れた友達を見送りながら、だからわたしは主人公ではないのだろうなと思ったし、そのことに変な安心をしたりした。

インターネットの友達は、写真を撮ることと小説を書くことが好きだという。ずっと作り方においてひとりであることと関わり続けていたのなら、こういうふうにみんな迷わなかったのかもしれない。ひとりでできる趣味を見つけたいね、という話をしていた。演劇から解かれていくしかないわたしたちは、わたしは、でもこの解かれの中に置かれたことを幸運だと思い込むことにする。

悪い予感は不思議と外れて、曖昧な靄の中を泳いでいるうちに月曜日は終わってしまった。