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5億年はもう経ってしまったらしい。電車に乗るたびに、電車に乗る、ということを考えてばかりいて、だからこのことをもっとよく考えているいろいろな人のいろいろな考えを底流に持つ演劇とかたくさんあると思うんだけど何も知らない。ただ体を震動させながら夜と朝を交互にやわらかに突き破ること、ときどき光のほうへ、私にできるよりもずっとはやく飛び込んでいくことができるのも街の細胞であることを引き受けたから(? 吐き気)(知らない女性の香水の気配)祈るときにきっと目を伏せるのは、まぶたにだけ希望の受容器が存在しているから 強い引力、地球の自転にさからっている

隣にひとが座ると気持ちが詰まるのに、ふたつ隣に座るとありがとうと思ってしまうような一貫性のなさ 古い異国の詩は、[41]まで読み 帰ってからは安いセーターの毛玉を切り取ることしかできないような 冷たさのいいとこ取りをしたような空気の冬の日。