0920

今日も眠たく、今日は光の流れていく日。外に出る。今日は耳を傾ける日。子供の声、足音、自転車のタイヤが滑る音が遠ざかっていく。遠くで知らない鳥が鳴いていて、向こうの車道にあるはずのエンジンはまだ耳に届かない。電車に乗り間違えて、乗り直す。午後二時は桃色の光、溢れている秋の気配と鮮やかすぎる光景、3週間ぶりの清潔な建物に辿り着く。受け答えをする私の声が浮いているのは何故だろう。自主的に寝かされて15分、呆然と天井の斜面を眺めていた。ざわめきは遠い、二階層くらいまでしか声は追えないことに気がつく。ゆっくりと起き上がり、ゆっくりと歩き出す。外に出れば青い夕暮れは涼しい色、傾いていく陽射しは依然として鮮やかで嫌になる、電車に乗る、赤い風船をもった男の子が灰色の白色のホームで楽しそうに笑っている、ここだけですべての色があるだなんて思えたらその時点で終わりだ、何が?