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とても清潔な建物にいて、紙を持って並んでいた。少しふらつくと不思議なくらいに申し訳ないくらいに優しい応対で、私は車椅子に乗せられる。ベッドに横になって指先と腕が数字になって、その時に始まったことではない薄い朦朧の中で清潔なざわめきを眺めていた。茶色い天井、斜面の色合い。枕元には棚、知らない機械がたくさん入っている。平穏に過ぎていく日曜日の夜、やけに目が冴えてなかなか眠れなかった。

朝になって、眠っている間に上がった部屋の気温に入り込まれた腹の底に少し吐き気が渦巻いている。南の部屋はとうに明るく、夏の解像度が落ちていくみたいにざらついていくすいかのぬるい舌触りを追いかけて、最後に私は椅子に座る。そして放置されている。曖昧なことを曖昧のままで引き伸ばしている。誰かの声がする、遠くで子どもの声が。

急に見たくなって、去年の冬ごろに見ていた芝居の映像をまた見た。追いかけれいれば八月三十一日の声が聞こえて、本当に偶然なのだけれど、そのように意識していなかったから不意打ちのように訪れた印象だったのだけれど、それは夏の終わりに向かう話なのだった。

昨日の朝に見た真っ白い景色をおもいだす、私はそのお話が幸せであるか不幸であるかには興味がないなとやっぱり思う