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午前中に一度、夕方に一度強烈に眠くなる。そして午前中にはよく、はっきりとした夢を見る。昨日はこんな夢を見た。就活か何かをまだしていた頃だろうか、私はスーツを着ていた。陽光がさして真っ白いロビーはつるつるとしていて、健康診断のときに見たような簡素な区切りがあったような気がする。私の仲間のような人が、山吹色の布地を持った、乞食の老女を連れてくる。面接官は驚いた顔をして、ありえないくらい悲痛な顔で跪くと「かわいそうに」と呟いてその手を取る。その様子がえらく不愉快だった。どうせお前にこの人を助けられないくせにと思った。その口はUSBをさすようにできていたから、何かを突っ込むこともできない。この不快感を言い当てる言葉を探して口元がうごめいて、最後には小さな声で「きっつ」と言ったのを覚えている。それから立ち去ったことやそれからたどり着いた部屋が一転して夜みたいに暗かったことは覚えてはいるけれどそのほかの詳細は目が覚めてすぐに忘れてしまった。

さらっと見ておきたい本が多くあると知ったので、隣駅の図書館まで行った。途中の道を歩いて、陰影を見るすれ違う人を見る、そういえば自分は散歩が好きだった。こうやって出歩いて、特に意味もなく写真を撮るのが好きだった。向こうの空が遠ざかる夕陽できらきらと煙っていた。もう少しくらい、綺麗に世界が見てみたいと思う。そのためには足りないことだらけで、せめて追いかけている間くらいは幸せっぽくいられるような気になったりもした。そこが死んでからだ、本当に怖いのは。

寝不足のときなどの頭や心臓のあたりを締め付けられる感じが実は嫌いではないのだけれど、悠長なことを言っていたら後々後悔することになるだろうなと思う。