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ひさしぶりに接骨院に行った。もう普通に歩くことができて、この間すこし痺れた以外には大きな違和感もなくなってきていたから最後のつもりで受付に診察券を渡した。待合室には誰もいなかった。

自分に起こっていることを正しく認識し、言葉に置き換えて伝えるのはきっと心身を問わずそれなりの困難で、小さいころ母親に何度も「自分で言わなきゃ誰もわからないよ」とたしなめられたのを思い出す。症状が微細になってきたからかなおさらきょうの説明は難しく、ああでもないこうでもないああかも知れないこうかもしれないと右往左往しては年若い施術師を困らせてしまった。脚の筋についての説明を聞いて、伸ばしてもらって、刺さないタイプの鍼を貼ってもらった。あと1度くるようにと言われる。

帰り道、通りかかった公園ではひと組の親子だけがいて黙々と砂遊びをしていた。途中のコンビニで買った炭酸の瓶を開けたらどういうわけかものの見事に泡が膨らんで飛び散って、左腕がべたべたになって笑ってしまう。こんな小気味良さはひさしぶりだなと思いながら。

風でカーテンがゆれて白い壁が点滅するのをぼうっと眺めていた。気がつけば寝ていて、目が覚めたら日が暮れていた。日に当たったからかなとぼんやり思う。美容だなんだとも関係なく、ただ自分の生命力のために日傘を買おうと思った。