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演劇を見た。真っ暗の中で意識は冴え冴えとしていって、誰のものかわからない静かな軋みとざわめきにいつの間にか心臓ごと捕まっていた。人間であることの条件についての考えがいつしか浮かんで、そういう場面でもないのになぜか泣いていた。終演したらしばらく誰とも話したくなかった。

それから稽古だった。点検しながら進めた。どうしてもできないことを諦めてもらう段階に入っていて、悔しく思う資格もない。代わりに何か進んだものはあっただろうか。残り時間で少なくとも解決していきたいものの輪郭ははっきりと手に掴むことができるようになったと思う。そもそもみたいなことを聞いて回っている。みんな優しくて一緒に考えてくれる。

精神年齢という言葉は何となく避けているが、そういうものがあったとして、ようやくそろそろ大学生になってもぎりぎりやっていけそうなくらいになった気がする。