0710

昼から普段行かないオフィスに行く。絶対的な晴れに打たれながらいつもより長く電車に乗る。日陰に行っても救われないけれど、まだ蝉の声は聞こえない。境界がもっとも鮮やかに見えることなんてきっとよくあることだ。ごうんごうんと回るエスカレーターの音、女性のいないオフィスフロア、映画なんかでオフィスの風景を灰色に撮られることに対する嫌悪感のような、もやもやした気持ちがある。かといってカラフルに描写されてもプロパガンダ、オフィスはもっとずっと無色であることに、苦しいのは色のせいじゃないことについてコピーが終わるまで考える。コピーなどの作業は無心になれるので好きだ。帰りも人でぎっしり、最後の電車だけ嘘みたいに空いていて、新しく好きな音楽の人を見つけて、そこだけとても光っている。退勤する頃には日付が変わっていた。こんなことたまにじゃないなら続けられないが、しかし。